みさご珈琲の人生焙煎ノート その1

こんばんは。
みさご珈琲の向井務です。

一介のIT技術者から、珈琲屋として独立して早二年。
やっと生活費の捻出が出来るかという所までやってきました。

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みさご珈琲では、珈琲マスター講座などで焙煎、抽出など
プロでも通用するような授業内容を提供していますが、
正直な所、私がはじめたような、無店舗型卸小売焙煎店は、
楽に稼ぎたい方にはお勧めできません。

 

いえ、でも、カフェとか喫茶は、良いんです。
日銭が入ってきますし、立地やデザインなど多彩な要素で
平均点取れていればそこそこの売上は達成できます。
そこで焙煎を自分で行えば、もちろん原価も抑えられます。
(でも焙煎で味が悪かったり、従業員教育コストがかかるのは論外です。)

 

ではなぜ、この無店舗型卸小売焙煎店の形をとったかと言うと、
格段に面白いから、というのが本音です。

 

数年前から、IT系ではノマドワーカーと言うスタイルが流行ってます。
場所を選ばず仕事する、組織に縛られない(実際には縛られます)
生き方と言うか、働き方です。

 

珈琲の業界でも、イベントブームの動きもあり、
いまでは、副業でされている自家焙煎露天カフェなどがたくさんおられます。

 

自分で焼いて、自分で淹れて、自分でお店デザインして、自分で販売する。
参入障壁が低く、DIYの延長とも言えるこのスタイル、経済成長論派からすると
多分ジレンマを生むスタイルですが、私はとても良いと思います。

 

ただ、このやりかた、国保払ったり、年金払ったり、
また私のように妻と子供二人を養いながら生活するには
非常にハードルが高いのも事実です。

 

私の家でも、妻が働きにでてくれているからこそ、
成り立っているようなものです、この場を借りて感謝m(__)m
もちろん、損益分岐点超えてからは変えていくつもりですが^^

 

で、無店舗焙煎屋の何が面白いかと言うと、珈琲の焙煎は、技術勝負でもあり、
売り文句勝負でもあるという所です。

 

みさご珈琲では、店主の向井自身が(不味い)珈琲が苦手なこともあり、
本当に手が抜けない所から始まっていて、必然的に
人件費コスト、原価コストがあがり、商品価格が高い状況になっています。

 

その分、お客様に対してお約束しなければならないのが
「美味しくあること」です。

 

高くて美味しい珈琲、需要があると思いますか?

 

 

 

 

 

 

 

答え。ほとんどありません^^;

 

ではどうするのか。
私は迷子になりながら、二つのアプローチをとりました。
一つ目は「品質の譲歩」、二つ目は「付加価値」

 

「品質の譲歩」は、豆の質を下げたり、手選別の工程をある程度省略することで
大幅に価格を下げました。もちろん業務用がメインでロット単位も大きく設定しています。
ただし、珈琲の焙煎技術だけは一切手を抜いていません。奇麗に焙煎します。

 

おかげさまで、幅広いニーズにお応えできるようになり、
大手のロースターさんとも張り合えるくらいの競争力を持つことができました。
しかも、焙煎の質がいい分、リピートが続くというメリット付きです。

 

 

でも怖いことに、ある意味美味しくない珈琲を作り始めると、自分でも舌が慣れちゃうんですよね。
前までは美味しくないと思っていた珈琲を作ることに抵抗がなくなるんです。
これは、前職のIT系技術者だったときにもある非常に良くない状況です。
技術的モラルハザードですね。

 

ここで、二つ目「付加価値」がでてきます。

 

付加価値と言ってもいろいろあるんですが、みさご珈琲で行っているのは珈琲講座と究極焙煎(今名付けました)です。

 

珈琲講座は知っての通り、珈琲の淹れ方や焙煎など様々な分野で
お話や質問を受けたりするのですが、この部分で、ノウハウ、知識で普段から手が抜けなくなります。

 

生徒さんも非常に勉強熱心な方が多いので、ある程度の最新事情&根本原理は知っておかないと
期待にお応えすることができません。

 

で次が、究極焙煎。(まだなんかしっくりきませんが。。)
年に数回、商売抜きで芸術的な味わいを、生豆の選択、ブレンド(うちは混合焙煎です)、
手選別、焙煎、冷却、保管で、持てる全ての感覚と技術とひらめきを投入します。

 

とても美味しい珈琲が出来るのですが、本当に半年くらい作りたくなくなります。
多分、根気がないからだと思うんですが、売るとえらい金額になるのは目に見えているので
趣味に留めています。手前味噌で恐縮ですが、飲めた方は幸運かも知れませんね^^

 

このアプローチはとても有効で、これ以降の通常焙煎で、かなり味が向上します。
一種のリハビリ、惰性の見直しになっているようです。

 

こういった一連の生徒さん、お客様とのコミュニケーションが信頼につながり、
なおかつ他で購入できないレベルの味を保つことで、高くて美味しい珈琲が存在できます。

 

結局、いろんな方向性を持ちながらも、ぶれないコアとも言える
「焙煎による味の創出」は持ち続けています。

 

みさご珈琲の人生焙煎ノート その2
無店舗型卸小売焙煎店の面白さ特に人との関係は、次回に続きます。
気分が乗ったらorご希望があれば、続編書きますm(__)m