無店舗型卸小売焙煎店の面白さ

こんにちは。
珈琲の伝道師 向井務です。

最近お店を開いたばかりですが、
無店舗型卸小売焙煎店について、少しお話というか
自分用にメモをさせていただきます。

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現在も多くの方に、マスター講座などで、
焙煎の趣味としての楽しみから、ちょっとしたDIY、ビジネス的な
取り組みをお伝えしたり、情報交換をさせていただいています。

そもそも無店舗の焙煎屋について、
基本的には、原料仕入れ、製造(焙煎)、梱包発送と営業が
仕事になるわけですが、当然ながら無店舗の場合は、営業の場所が
特に限られなくなります。

店舗型の場合では、地域性や交通量、地域の嗜好などが深く関わるのですが、
比較的集客をしやすい環境にあります。
なぜならお客様が少なくともお店や看板を目にすることがあるからです。

しかし、無店舗の場合が営業場所が限られないため、
集客する気がなければ全くお客様がつかないのですが、
深い関わりを持ってお客様を見つけることが多いように思います。

私の場合は、ほぼ趣味的に焙煎を手網でしていた頃、
近所のフレンチのお店に使っていただくことになったのが大きなきっかけでした。
この時は、異業種交流会に参加していて、たまたま飲食店に
お知り合いのある方から口伝でご紹介いただいたのが始まりでした。
その後、髪を切りに行っていた美容室のご紹介から不動産屋さん経由で、
創作レストランに納入。

なぜか冬2月に天城で行った、屋外での珈琲焙煎講座繋がりで美容室に納入、
店舗の初期を卸していただいた厨房機器屋さんのご紹介で、
カフェに納入など、これらは全て静岡でのお話ですが、
人から人への紹介が非常に強い繋がりとなっています。

さて、大阪に帰ってきてですが、やはり商売の質が違うことを痛感しました。

まずは価格です。大阪では一般相場からの高い安いという見方が強いので、
ある程度ビジネスライクに付き合いをしようとされている企業さんでは、
味を見る前に価格で線引きされてしまいます。
(私の場合は無名過ぎたこともあるでしょう。)

ただ、実際のところは、飲食店様での味の良さはリピーター獲得に非常に有効だと
珈琲屋として考えておりますので、ある程度の原価差を度外視してでも
味わい的に良いものを使っていただいた方が良いと考えています。
(でも、接客の方がリピート率には影響しますけど^^;)

無店舗でのメリットとして有効に働いたのは、
私の場合、焙煎工房を自宅あるいは父の会社の敷地内など
固定費のかからない状態で焙煎所を作ることができたこともあり、
価格的な競争力が比較的あったことが挙げられます。
また、無店舗の場合、オーダー焙煎によるロスレスでの
運営も可能ですので、非常にコスト面で有利です。

ですが、やはり店舗がないことによるデメリットもあり、
小売に直結しにくいという点が挙げられます。

私の場合ももちろん個人小売のお客様もいらっしゃいますが、
リピート施策については、店舗がない場合、通じにくいという点もあります。
(私がサボっているところも多いにありましたがm(__)m)

簡単に言うと、お店や看板を見て、「珈琲ないからついでに買っていこう」
という風にならないんですね。やはり無店舗ですとわざわざになってしまいます。

その点、無店舗でも卸については定期的な注文とそれに対するサービスの
やり取りになりますので、比較的関係を維持しやすいのが特徴です。

また、卸などで付き合いがあったり、いろんな人に会う機会を作っていると
人脈が店舗型に比べて非常に早く、大きくなっていくのが無店舗型の特徴です。
(もちろん地域密着型店舗の人脈は重要です。)

これはメリットでもデメリットでもあるのですが、人とのつながり方次第で
大きな案件が出てきたり、時間と労力だけ使って無駄になったりと
大きな波が出てきます。

無店舗の場合、最初のうちは、最終顧客の信頼性が低いのは確かですので、
他者とコラボレーションなどをしても、最終的には頭打ちになることも多いかと思います。

そういう場合は、信頼、権威を築くためにも、事前に外部講師を行う、地域のイベントを手伝う
本を出すなどのアプローチをしておくと良いと思います。(私の場合は本は出してませんが。)

結局は、店であれ、ブランドであれ、人であれ、信頼が第一ですので
それぞれでわかりやすい信頼を築く種をまいておくことが重要です。
この時、好きなことをしながら信頼を築いてください。
自分をだましだまし頑張っても、いつか心が折れますm(__)m

私自身もおかげさまで、事業を考えた通りに進めさせていただいておりますが
無店舗型で焙煎屋を開かれる場合は、以下の点に注視していただければと思います。
(ある程度の規模になれば、店舗型にされると良いと思います)

1、コストを低減しつつ差別化できるレベルで品質を高く製造できる仕組みを作る
2、卸売り向けの技術、営業を身につけて、卸顧客を増やす
3、珈琲焙煎のみならず、抽出器具、業務用器具など広範囲の関連知識を蓄積する
4、技術面、運営面での知識を活かして、外部講師などを行い、権威付けをする
5、ある程度の規模感が出てきたら、仕組みを更新しながらコストを安く良いものを提供し続ける

ということで、みさご珈琲もまだまだ頑張りますm(__)m

生豆の仕入れについて

こんばんは。
みさご珈琲の焙煎士 向井務です。

今回は、みさご珈琲的にタイムリーなお話をさせていただきます。

私の読み不足という点が多いにあるのですが、
ここ数年主力にしてきた2銘柄が端境期手前にして、
商社在庫がなくなってしまう自体に陥っています。

なんともお恥ずかしいことですm(__)m

その2銘柄は、エチオピアベレカとグアテマラグアヤボパカマラです。

エチオピアベレカは比較的安定して手に入っていたのですが、
今年は結構商社在庫がなくなるスパンが早く、
次クロップ6月まで入荷できない状態です^^;

また、グアテマラのグアヤボのパカマラは、
なくなることもあるのですが、商社さんの方でオールドクロップまで
売れてしまったのは今回が初めてではないでしょうか?

焙煎屋をやっていく上でとても痛いのがこの辺りの部分です。
資金力があれば、通年分を買いだめできるのですが、
零細企業には辛い現実です。
通年買えてもクロップ毎の品質問題はついて回りますが。。

今年は、一昨年来の先物相場高騰のあおりと、
コモディティー、スペシャリティの価格レンジの近接が
多いに関係しているように感じています。

あと自家焙煎起業の増加、サードウェーブ(スペシャリティ志向)が影響しているのは
言うまでもないことです、、、。

ちょっとニッチな美味しい珈琲ということで、
仕入れ面での危機感が足りなかったことは正直あると思います。
今後気を付けなければなりません。反省。

対策としては、凡庸な所では、同クラス近似香味の豆代替と
技術を頼りに選別及び焙煎、ブレンドで代替を行う予定で考えています。

そういえば、初めて間もないころ、メイン銘柄2点が
突然、アメリカ資本の農園買収(一件は囲い込み、もう一件は農園主の体調不良)に合って
買えなくなったことがあったのを思い出しました。

珈琲焙煎は農作物を原料として扱うので、
本当に気を使いますが、その分、
お客様の嗜好にあわせて提案をしたり、
技術面で補填したり、資金力でリスクヘッジしたり
いろんな対策を講じることができるのも楽しみの一つだと思っています。

ということで、
ご迷惑をおかけしながら、不謹慎ではございますが
続けて買っていただいている卸先の企業様や
個人のお客様への新しい提案ができる機会として
とらえていきたいと思っています^^

頑張りますm(__)m

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みさご珈琲Webサイト
http://misago-coffee.com/
みさご珈琲FBページ
https://www.facebook.com/MisagoCoffee

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みさご珈琲が珈琲の講座をしている理由

おはようございます。
みさご珈琲の向井務です。

みさご珈琲は、珈琲の卸売り、小売がメインの珈琲屋ですが、
珈琲の講座も事業の核となっています。

なぜ珈琲屋が珈琲の講座、特に同業者を作ることにもなる
「焙煎」を教えているのか?

Continue reading “みさご珈琲が珈琲の講座をしている理由”

みさご珈琲の人生焙煎ノート その1

こんばんは。
みさご珈琲の向井務です。

一介のIT技術者から、珈琲屋として独立して早二年。
やっと生活費の捻出が出来るかという所までやってきました。

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みさご珈琲では、珈琲マスター講座などで焙煎、抽出など
プロでも通用するような授業内容を提供していますが、
正直な所、私がはじめたような、無店舗型卸小売焙煎店は、
楽に稼ぎたい方にはお勧めできません。

 

いえ、でも、カフェとか喫茶は、良いんです。
日銭が入ってきますし、立地やデザインなど多彩な要素で
平均点取れていればそこそこの売上は達成できます。
そこで焙煎を自分で行えば、もちろん原価も抑えられます。
(でも焙煎で味が悪かったり、従業員教育コストがかかるのは論外です。)

 

ではなぜ、この無店舗型卸小売焙煎店の形をとったかと言うと、
格段に面白いから、というのが本音です。

 

数年前から、IT系ではノマドワーカーと言うスタイルが流行ってます。
場所を選ばず仕事する、組織に縛られない(実際には縛られます)
生き方と言うか、働き方です。

 

珈琲の業界でも、イベントブームの動きもあり、
いまでは、副業でされている自家焙煎露天カフェなどがたくさんおられます。

 

自分で焼いて、自分で淹れて、自分でお店デザインして、自分で販売する。
参入障壁が低く、DIYの延長とも言えるこのスタイル、経済成長論派からすると
多分ジレンマを生むスタイルですが、私はとても良いと思います。

 

ただ、このやりかた、国保払ったり、年金払ったり、
また私のように妻と子供二人を養いながら生活するには
非常にハードルが高いのも事実です。

 

私の家でも、妻が働きにでてくれているからこそ、
成り立っているようなものです、この場を借りて感謝m(__)m
もちろん、損益分岐点超えてからは変えていくつもりですが^^

 

で、無店舗焙煎屋の何が面白いかと言うと、珈琲の焙煎は、技術勝負でもあり、
売り文句勝負でもあるという所です。

 

みさご珈琲では、店主の向井自身が(不味い)珈琲が苦手なこともあり、
本当に手が抜けない所から始まっていて、必然的に
人件費コスト、原価コストがあがり、商品価格が高い状況になっています。

 

その分、お客様に対してお約束しなければならないのが
「美味しくあること」です。

 

高くて美味しい珈琲、需要があると思いますか?

 

 

 

 

 

 

 

答え。ほとんどありません^^;

 

ではどうするのか。
私は迷子になりながら、二つのアプローチをとりました。
一つ目は「品質の譲歩」、二つ目は「付加価値」

 

「品質の譲歩」は、豆の質を下げたり、手選別の工程をある程度省略することで
大幅に価格を下げました。もちろん業務用がメインでロット単位も大きく設定しています。
ただし、珈琲の焙煎技術だけは一切手を抜いていません。奇麗に焙煎します。

 

おかげさまで、幅広いニーズにお応えできるようになり、
大手のロースターさんとも張り合えるくらいの競争力を持つことができました。
しかも、焙煎の質がいい分、リピートが続くというメリット付きです。

 

 

でも怖いことに、ある意味美味しくない珈琲を作り始めると、自分でも舌が慣れちゃうんですよね。
前までは美味しくないと思っていた珈琲を作ることに抵抗がなくなるんです。
これは、前職のIT系技術者だったときにもある非常に良くない状況です。
技術的モラルハザードですね。

 

ここで、二つ目「付加価値」がでてきます。

 

付加価値と言ってもいろいろあるんですが、みさご珈琲で行っているのは珈琲講座と究極焙煎(今名付けました)です。

 

珈琲講座は知っての通り、珈琲の淹れ方や焙煎など様々な分野で
お話や質問を受けたりするのですが、この部分で、ノウハウ、知識で普段から手が抜けなくなります。

 

生徒さんも非常に勉強熱心な方が多いので、ある程度の最新事情&根本原理は知っておかないと
期待にお応えすることができません。

 

で次が、究極焙煎。(まだなんかしっくりきませんが。。)
年に数回、商売抜きで芸術的な味わいを、生豆の選択、ブレンド(うちは混合焙煎です)、
手選別、焙煎、冷却、保管で、持てる全ての感覚と技術とひらめきを投入します。

 

とても美味しい珈琲が出来るのですが、本当に半年くらい作りたくなくなります。
多分、根気がないからだと思うんですが、売るとえらい金額になるのは目に見えているので
趣味に留めています。手前味噌で恐縮ですが、飲めた方は幸運かも知れませんね^^

 

このアプローチはとても有効で、これ以降の通常焙煎で、かなり味が向上します。
一種のリハビリ、惰性の見直しになっているようです。

 

こういった一連の生徒さん、お客様とのコミュニケーションが信頼につながり、
なおかつ他で購入できないレベルの味を保つことで、高くて美味しい珈琲が存在できます。

 

結局、いろんな方向性を持ちながらも、ぶれないコアとも言える
「焙煎による味の創出」は持ち続けています。

 

みさご珈琲の人生焙煎ノート その2
無店舗型卸小売焙煎店の面白さ特に人との関係は、次回に続きます。
気分が乗ったらorご希望があれば、続編書きますm(__)m